院長のコラム

のどに魚の骨が刺さった!

せせらぎタウン平成28年8月号の健康ひとくちメモに「のどに魚の骨が刺さった!」と題してコラムを載せました。その一部を転載いたします。

 先日、ノドに魚の骨を刺した三歳の男の子が受診してきました。おじいちゃんが孫のために釣ってきたカレイを、お母さんが魚の身をとり分けて食べさせていたそうです。泣きそうな子供をなだめながらノドを診察すると、扁桃腺の裏側に1.5 cm 位の骨が刺さっておりました。そのお子さんはとても聞き分けの良い子だったため、少しのあいだ口をあけたままでいてもらい、無事に魚骨をとることができました。
一般的に、今回のように小児が魚骨をのどに刺すこと(魚骨異物)は大人に比べてあまり多くありません。しかし、魚を食べていてのどが痛いと訴える症状以外にも、急にご飯を食べなくなったり、よだれを垂らして物を飲み込もうとしない場合には、魚骨異物を疑わなければなりません。アジやウナギなどの細い骨は扁桃腺に刺さったり小さな穴に入り込むことが多くみられます。また、サケやブリなどの比較的大きな骨はもっと下の舌の付け根(舌根部)や食道の入り口に引っかかることが多いようです。扁桃腺に引っかかった時は、その側の顎の下が痛くなります。食道の入り口に引っかかった場合は、のど仏よりも下の部分が痛いと訴えます。
魚骨異物の治療ですが、扁桃腺に刺さった場合には、上から刺さっているものが多く、「ご飯を丸呑みするとよい」という俗説は正しくありません。大きく口を開けてもらい、ピンセットで引き抜いてとることが適切です。扁桃腺以外の場所に刺さった魚骨や子供の場合には、鉗子(かんし)の付いたファイバースコープで魚骨を見ながら除去することもあります。さらには、全身麻酔のもとでとることもあります。
魚にはたんぱく質、カルシウム、などの他にも多くの栄養素が含まれており、とくに子供たちにたくさん摂取してもらいたい食材です。調理の際には、骨の処理を十分に注意することが大切と考えます。最近、スーパーなどでは「骨なし魚」が販売されておりますが、これらの前処理も人や機械によってなされるものですので、実際に食べる時には十分に注意して魚をたべてください。もしも、魚の骨を引っかけたと思われる時には、あわてて「ご飯の丸呑み」などはせずに、お気軽に耳鼻咽喉科専門医に受診してください。

[ 更新:2016-08-01 17:09:06 ]

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